すっかり友人を失って意気消沈していたあたくし
そろそろ動き出さないとだわ
と思っていたそんな折に思い出したの
あたくしが初めてカルティエのものを手にした時
タンクルイカルティエ
を手にした時のことを
あれは30歳の時
ふと入って目にした時計たちのそれはそれは美しかった事
その時までカルティエなんて女性ぽく見られるんじゃないかしらと思っていて見ることすらしなかったあたくし
冷やかしで入ったつもりが、トリコに
シンプルでベーシックなものを選びがちなあたくしの目に留まったのがルイカルティエだったの
文字盤のところがわずかにふっくら丸くて、フラットなマストタンクとは一線を画していたの
値段もかなりはっていて、まさかあたくしが買えるなんて思ってもいなかった
当時は60万くらいだったと記憶
資金的にはあるにはあったんだけど、そんな高額なもの、しかも時計に当てるなんて考えもしてなかったの
試着してみたら凄く似合う!てわけじゃなかったけど、店員さんがすごくお似合いですって言うの。
だから胡散臭くてすぐにでも帰ろうとしたのよ
でもよく話を聞いていたら凄く良く肌の色に合ってると
‥‥
‥
確かに
当時としては派手すぎるんじゃ?
と思っていたイエローゴールドがなんだか肌にしっくり来ていたのよ
当然、即決なんてできず何度も足を運んだわ
今みたいに予約制じゃないしやたら買い漁る人々もいなかったから
のんびり悩む時間が昔はあったのよ
と、そうこうしてるうちにやはりあたくし欲しいわ!
となったわけなの
ゴールドだしカルティエだし将来的に価値がゼロってことはないわよね?
せめて売れば10万くらいにはなるわよね?
と自分に言い聞かせて、ついに購入したの
後に、マンションを買うことになるんだけどそれ以上に悩んだお買い物だったわ
購入したは良いけど、なんだかやはり時計につけられてると言うか着られてると言うか
時計だけ浮く感じなのよ
さらに
30歳のブラック企業勤めの事務員のあたくしには職場的にもなんだか時計が居心地悪そうなの
でも、これに見合う自分にいつかなるんだと必死に頑張って
現在
タンクルイカルティエはあたくしのとても良き相棒よ
もう似合わないなんて言わせないくらいに馴染んでいて
カジュアルにも素敵なディナーにもなぜか
合うの
今ではカルティエをもう一本と手巻きの時計が一本あるけど
断然タンクルイカルティエが1番重宝してるわ
他の時計たちはあたしが死ぬ時少しでも資産として大きくなってくれていたら
と思って眺めて楽しんでるわ
なんでもそうだけど
将来を見越して投資しなくてはね
とは言え、投資的に購入してしまった時計たちと違ってやはり似合うかしら?どうかしら?と悩んで購入したものの方が数倍価値があるのかもしれないわね
