あたしは今、都心のとあるホテルのバーのカウンターにいる
思い起こせば永いお付き合いになる
上京して初めて出来た歳上の彼との最初のデートの場所がこのホテルだった
ホテル内のイタリアンで、その後はバーに
今思うと昔はホテル内にイタリアンがあったものだわ…今じゃあめっきり見かけないわ
それはさて置き、田舎者のあたしはホテルのレストランなんていつだってガラ空きで味も無難よね、と思っていたの
と、思っていたのだけれどその彼が連れて行ってくれるホテルのレストランはどこも賑わっているし攻めた料理も出していた
残念な事に頼むワインもお料理もあたしには値段がわからず金額的にどれ位だったかは不明だけど、高いだろうなとは思っていたの……当たり前よね💦
あたしはそこでそれがいくらであろうと、美味しい!良い!と思えるならその価値あるものにお金を出せる人間になるわ!と心に決めたの!
その彼にはほんと色々と勉強させていただいた
高いとか安いとかではなく本質、価値にお金を払いなさいと言う事
株をやるなら三菱商事と自分が勤める会社だけ買っておけば良いとか(賛否両論アリ)
とりあえずあたしは素直に三菱商事は買ったわ、35歳くらいになって株にも随分お金を回せる様になったあたりで
鳴かず飛ばずだったけどいつの間にやら大化けしていたわ
そしてアタクシは晴れて上場企業に!!入社出来るわけもなく、自分の勤める会社の株は買えなかったけど…
と、まあそんな彼と来ていたバーに今もひとり通っているわけで
でもあたし…
ウィスキー🥃……
……………
嫌いなの
バーにとってはアレなあたしだけれど、しっかり何本かボトルキープもしていて……
せっかくキープしているしアタシひとりでは減る事もないからウイスキー好きな友人を誘った事があるの
そしたら何でウイスキー飲まないくせにバカ高いお金払ってキープなんてしてるの?!と聞かれた事があった
その時あたしは上手く答えられなかった記憶がある、でも今なら答えられる
確かにウイスキーを飲むってこと自体はそんなに好きではない、そしてそのウイスキーの価値もよく分かってはいない、けどしっかりとした教育を受けたホスピタリティの高いバーテンダーさんやバーのスタッフの方々が作る安心な空間で安全に飲めている、と思う事に支払っているんだと
あと…そう言うところで飲んでいる自分て言うものに酔いたい時もあるじゃない??💦そんなミーハーな気持ちだって時には大切じゃない??
確かに世の中の定価の何倍も支払っているかも知れない、近所で買ってきて家で飲む方が経済的かもしれない、でもそのホテルのバーに居る事、そしてそこで飲む事はまるで違う物をあたしに与えてくれる
凛とさせてくれる、と言う事なのかも知れない
満足度と安心感を考えたら少しも高いとは思わない
なんて考えられる様になったあたしは少しはあの頃目指した自分に近づけているかしら